違う、仲間じゃない!
先日、通勤のために電車に乗っていました。
電車はぎゅうぎゅうで、とても混雑していました。
私の前のおじさんが、とてもご立腹な様子でぶつくさ言っているので、何を言ってるのか聞いていると、「電車内が混んでる時くらい、リュック降ろせよ」と怒っているではありませんか。
私はドキっとしました。私も通勤時はリュックタイプの鞄を利用しているからです。
ただ、その怒りん坊おじさんの怒りの対象は、おじさんの前にいる、オタク風(私もひとのことは言えませんが...)のデブっとした男性に対してのものでした。
怒りん坊おじさんは、終始ぶつくさ文句を言っておりました。
怒りん坊おじさんが降車する駅に着き、電車を降りる際の捨て台詞のように、「ホントへんな奴。常識ねぇなー気持ちわりぃんだよ。」とゆう言葉は、後ろにいる私にもしっかり聞こえました。
私に聞こえてるんだから、前に立っていたオタク亭ポチャ平にも当然聞こえていることでしょう。ただ、すごいのは、全く動じる様子はなく、意に返さぬ表情。背筋をピンと伸ばして、胸を張り、乳首に関してはツンと自己主張している有様でした。
なんと、凛々しきこと!と、少々神々しくさえ見えたことを覚えております。
リュック仲間として、誇らしく荘厳で、ただ、カバンは下ろそうよ...とも思いつつ、なんともバランスの取れない印象が私を襲いました。
そんな暴言を吐かれるほどのことではないんじゃないかとゆう仲間意識からくる贔屓目により、怒りん坊おじさんに対して多少の苛立ちと、オタク亭太丸には同情と励ましの気持ちが湧いてきました。
そして、怒りん坊おじさんが降りたことにより、オタク亭デブの助が私の前にずれてスライドしてきました。
こいつのリュック...尋常じゃないほどパンパンやないか...!山に籠もって修行でもされるんですか?とうとう第三の目を開眼させる気か⁈と感じさせるほどでした。
邪眼の力をなめるなよ。と彼の背中が私に訴えてくるようでした。
ただ、時間が経つにつれ、こんな大きなカバンを手に持ち変えることもなく、背負い続けてるこのぽっちゃり君...どんだけ空気読めないんだよと。
そのリュックに単四電池が入ってて、実は私はその電池で動いてるから、手に持ち帰ると動けなくなるんですよーとかならわかるよ。
実は、そのリュックは実のお兄ちゃんが化けたもので、手に持ち帰ると髪の毛が伸びて、ガリガリの人間に戻っちゃうんだーとかならわかるけどさ。
でも、そうじゃないなら、むちゃくちゃ場所とってるからさ、そもそもあなた自身が戸愚呂弟の80%くらいの圧力と胸板があるのにさ。指弾とかいって、今にも脂肪の塊を飛ばしてきそうな勢いやのにさ...せめて鞄くらいは下ろそうぜ、兄弟。
まぁ、兄弟と言っても、俺は戸愚呂兄弟ほど、ランクが高い妖怪ではないけどさ。
それにしても、さっきから携帯むちゃくちゃいじるやん。俺を邪魔できるものは何もないとゆうかんじ?おまえまさか、シャルナークのモデルの人?誰かを操って、オークション会場襲ってんの?
目の前の幻影旅団にビビっていたちょうどその時、電車が揺れて、その彼が態勢を崩した、まさにその時!シャルナークの携帯のディスプレイが俺の視界に入りました。
やばい!操られる...(°_°)と思った、その瞬間、私の目に入ったのは
「お気に入り一覧 巨乳系のエロ動画 ◯◯」と、お気に入りに登録されているであろう、巨乳系の動画のページがわんさか...
なるはど!おまえが悪い。うん、おまえが悪いや。途中で降りていったおじさん、ごめん。
あなたは怒りん坊おじさんではない、ただの常識的な普通のおじさんでした。
リュックを下げないーからの→公共の場でのエロ動画漁り...
さてはS妖怪だな。